歯内療法

Q51 MTAセメントって何?
A51

歯科用MTAセメントについてご説明します。

用途

●発的穿孔
●逆根管充填
●直接覆髄
●apexification
●根管充填
保険診療には用いることができません

原材料

ポートランドセメント(建築用セメント)に造影剤として酸化ビスマスを加えたもの

特徴

●水・組織液・血液があっても硬化します。(親水性)
●水酸化カルシウムを生成するため、持続的制菌性があります。
(練和後のpHは10.2で、3時間には12.5となります)
生体親和性が高い。
●表層にハイドロキシアパタイトを生成します。
●強度は1日以降に発現し始め、3ヶ月には最終に近い強度を発現します。
●適度の混水比(重量比で3:1)で練和し、的確にコンデンスした後、十分な水を
 置かなければしっかり硬化しません。
 また、コンデンス不足で硬化後に気泡が多くなることも多い。
●歯質と色が近似しているので除去はかなり難しい。
●硬化時膨張するため、封鎖性が良好です。

※参考書籍
 「MTAの臨床 よりよいエンドの治癒を目指して」 小林 千尋 著  医歯薬出版株式会社

Q52 失活歯・歯内療法歯は脆い、弱いと聞きますが、本当でしょうか?
A52

歯内療法処置歯は生活歯と比較して脆くありません。
●根管治療ではほんの少し強度が落ちます。
●累積的な歯質の喪失が歯牙破折を起こしやすくします。
●痛み閾値が上がることによって、より強く噛んでしまうことも
 破折を起こしやすくする原因の一つとして考えられます。
●咬合面をすべて修復する(咬頭を被覆する)ことにより破折抵抗は上がります。

Q53 歯内・歯周疾患が全身に及ぼすリスクについて教えて下さい。
A53

歯内疾患は、歯周疾患と比較して、その病巣の多くが閉鎖性であり、骨髄内に存在することから考えると、菌血症になる可能性は重度の歯周疾患に匹敵すると考えられます。両者では、病巣の大きさ、活動性および感染細菌種が違うため、全身に及ぼす影響が異なることも考えられますが、歯内疾患であっても宿主の抵抗性が低下している状態では、敗血症を引き起こす可能性も考えられています。

※参考書籍
 「エンド難症例 メカニズムと臨床対応」
 恵比須 繫之 編  医歯薬出版株式会社

Q54 3ヶ月前に土台ごと被せが外れたのですが痛みもないのに根の処置をやりなおすと言われました。なぜですか?
A54

文献から以下のことが分かっています。

●唾液は30日から3ヶ月あれば根管充填を貫通できる。
 Khavat 1993. Maqura J.O.E.1991
●質の高い根充をしても唾液にさらされると19日もあれば細菌は根尖まで移動できる。
 Torabinejad 1990
●根管充填は内毒素の漏洩を防げない。
 -Trope 1995

つまり3ヶ月もすれば根の処置が再感染を起こしていると考えられます
妥当な処置だと思われます。

Q55 加藤先生は歯内治療でマイクロスコープを使われるようですがマイクロスコープを使う治療は保険外診療、自費になりますか?その場合、おいくら程でしょうか?その金額が自分には高い場合、保険治療のみで歯内治療をしてもらう事は可能でしょうか?
A55

マイクロスコープを使った歯内療法は時間がかかり保険ではまかなえませんので、自費とさせていただいております。
加藤歯科医院では常時、保険治療では8倍のスコープを用いています。

Q56 根っこの治療の途中だけど何でそんなに時間がかかるの?1度でパパッと終わらせるわけにはいきませんか?
A56

根っこの治療は細菌に対して様々な配慮が必要ですごく時間がかかります。

小さな歯のなかの細い管をきれいに掃除するのはなかなか難しい処置です。

治療中はウミを出す為にフタをしない場合もありますが、大体は薬がこぼれないように仮のフタをしています。
この仮のフタは最終的に詰める丈夫なフタに比べるとはずれやすいので、治療途中で通院をやめてしまうと仮のフタに隙間ができたり外れたりして、治療が初めからやり直さなくてはならなくなります。

将来に向け歯を残すために通院にぜひご協力ください。

※参考書籍 「nico 2017.6 クインテッセンス出版株式会社」

Q57 なかなか治らない根っこの病変の原因は何ですか?
A57

次の4つの原因が考えられます。

1.根管の複雑な解剖学的形態

象牙質は血管・神経の周りに形成され、根管の形態が決まります。

2.治療薬に抵抗性を有する細菌

Actinomyces属は貧食・破壊作用から逃避

3.治療上の技術的な問題

マイクロエンドの有用性

4.全身性疾患との関連

糖尿病

※参考 「下野正基エンドセミナー」

Q58 歯は摩耗しているはずなのに、顔つきがあまり変わらないのはなぜ?
A58

歯の根を覆っているのはセメント質という歯周組織です。

このセメント質の添加によって歯の咬耗が補償されることから、加齢により厚みが変化します。

 

※参考書籍
 「リクッチのエンドドントロジー」
 監訳 月星 光博  クインテッセンス出版株式会社

Q59 歯科に行って歯を診てもらったら死んでいる歯があると言われました。今まで全然痛くなかった歯なのにそんなことってあるんですか?
A59

細菌漏洩と重度の歯髄炎(歯の中の神経の炎症)を起こしていても、臨床的にいかなる症状も示さないことがあります。この事実は、臨床症状がないことが成功の指標であると誤って考えられていることを示唆しています。

また、歯科学においては、疼痛の有無は根拠に乏しい指標と言えます。残念ながら多くの場合、歯科医師から見える臨床症状と組織学的歯髄の変性状態には相関関係はありません。

 

※参考書籍
 「リクッチのエンドドントロジー」
 監訳 月星 光博  クインテッセンス出版株式会社

Q60 根の先に相当する部分が腫れ、膿が出ています。痛みはないのですが、すぐに治療の必要がありますか?
A60

長期間サイナストラクト(根の先に膿をもち、これが口腔内とつながって、その穴から膿が出ている状態)が存在したため、口腔内の根尖部を直接結ぶ経路が存在し、唾液や滲出液が両方向に行き来し、根尖孔外に歯石形成が認められるようになります。よって、通常の根管治療が奏功しなくなります。

すぐに歯科医院で治療してもらいましょう。

 

※参考書籍
 「リクッチのエンドドントロジー」
 監訳 月星 光博  クインテッセンス出版株式会社

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