むし歯
Q21 | ポテチはむし歯の原因になるの? |
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A21 | ポテトチップスやおせんべいなどの甘くないお菓子やおにぎりは、多糖類のデンプンが主成分で、砂糖は使われていません。しかし、何日もプラークが付着した状態だと、ポテトチップスのようなデンプン主体の甘くない食べ物でも、むし歯を引き起こすと考えられます。
※参考書籍 |
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Q22 | 母乳はむし歯の原因になるの? |
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A22 | 水やお茶と同じように、牛乳や母乳はむし歯リスクのない飲み物と言ってよいでしょう。
※参考書籍 |
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Q23 | むし歯の心配をせずに間食できるのは、どのようなものがありますか? |
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A23 | 生野菜、牛乳、チーズ、ナッツ類、コーヒー、紅茶、麦茶、水などがあります。 ただし、どれも砂糖を加えていないものに限ります。
※参考書籍 |
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Q24 | むし歯のリスクを高めるのは、糖の量ですか?それとも回数ですか? |
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A24 | 糖の摂取に関しては、量よりも回数増加のほうが、むし歯の重要なリスクと言えるでしょう。
※参考書籍 |
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Q25 | むし歯のリスクを考えると、1日に何回、飲み食いしていいの? |
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A25 | むし歯のリスクを低く抑えるためには、糖を含む飲食を1日4回までとするのがよいでしょう。
※参考書籍 |
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Q26 | 甘いものを食べても、ブクブクうがいをすればむし歯は大丈夫ですよね? |
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A26 | うがいによる口腔内のpH変化を調べた研究があります。 Hoshino E, Sato M, Sasano T, Kota K. Plaque pH recovery by mouth-rinses with water. Shika Kiso Igakkai Zasshi(JOB). 1989; 31(2): 218-223. 口腔内のpHが低い状態が続くと、むし歯になりやすくなります。 口腔内のバイオフィルムを成熟させ、3%スクロース溶液で洗口してpHを下げてから、水で10秒間の洗口を10~60秒ごとに繰り返しました。その結果、pHが中性に戻るまでに、平均で15回も洗口しなければなりませんでした。 甘いものを口にするたびに10秒間のブクブクうがいを15回も行うのはあまり現実的ではないので、他の方法で口腔内のpHをコントロールする必要があります。 むし歯の研究では、無味のパラフィンガム(お口の型を採るときに使うパラフィンワックスのようなもの)を噛んで、唾液を出すことでバイオフィルム中のpHを中世に戻しています。代用甘味料を使ったガムも、同様の効果があります。 特に、就寝時は唾液分泌量が低下するので、就寝前に飲食をした時にはうがいではなく必ず歯を磨きましょう。
※参考書籍 |
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Q27 | むし歯にならない糖があると聞きました。本当ですか? |
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A27 | 代用甘味料は、細菌が栄養として代謝することができないため、酸産生性が全くないか、あっても低く、非う蝕原性(むし歯にならない)または低う蝕原性(むし歯リスクが低い)です。 中でも、キシリトールなどの糖アルコールは多くの製品で用いられています。糖アルコールは「〇〇トール」や「還元〇〇」という名称で表示されているので、買い物をするときの参考にしてください。
※参考書籍 |
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Q28 | 削って詰めた歯はもうむし歯になりませんよね? |
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A28 | 詰め物・被せ物をした歯こそ再発に注意しましょう! 削って詰めた歯は、「これでもう治った」と安心しがちですが、歯と詰め物との境目にプラークがたまると、そこから新たなむし歯ができてしまうことがあります。 歯科ではこれを「二次う蝕(むし歯)」と呼んでいます。歯科医師がうまく詰めても、人工物である詰め物や被せ物と天然歯はまったく違うものでできているので、ミクロの目で見るとどうしてもいくらか段差ができ、そこに細菌がくっつきやすいのです。 詰めた歯、被せ物をした歯は、いつも気にかけてよく磨くこと。そして、新たなむし歯ができていないか歯科医院で定期的にチェックしてもらいましょう。 ※参考書籍 「nico 2017.5 クインテッセンス出版株式会社」 |
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Q29 | むし歯の予防法を教えてください。 |
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A29 | むし歯予防には、正しい歯磨きとフッ素洗口(フッ化物洗口)! 1.歯みがきフッ素入りの歯みがき剤(歯みがき粉)を使って歯みがきをしてください。 A)歯科用歯ブラシの半分の長さに歯みがき剤をのせる。※どのくらいのせるかは歯みがき剤のチューブの出口の大きさで変わりますので、小さい出口のものの場合は、歯ブラシのヘッドの長さと同じくらいの量を目安にしてください。(約0.5gと言われています) B)口腔内をしっかりブラッシングC)ブラッシング後、軽く吐き出し、洗口は1回だけ<洗口方法> a.ブラッシング後、歯みがき剤を吐き出します。 2.フッ素洗口フッ素洗口とは、フッ化物水溶液を用いてブクブクうがいをすることで、歯のエナメル質表面にフッ化物を作用させて、むし歯を予防する方法です。歯を磨いた後にフッ素洗口をすることで、より効果的にむし歯を予防できます。 A)フッ素洗口液のう蝕予防効果フッ素洗口液のう蝕予防効果は、フッ素配合歯磨剤と比較して高いと言われています。例えば、小学校において6年間実施した場合、30~50%のう蝕予防効果が得られ、その効果は中学3年生、あるいは20歳まで持続することが確認されています。保育園/幼稚園(4歳)から中学校(14歳)まで継続実施した場合、効果はさらに高く、70~80%のう蝕抑制率が得られることが確認されています1)。 この理由として、 ・フッ素洗口剤 フッ素物濃度 225~900ppmF ・フッ素配合歯磨剤 フッ素物濃度 1,000ppmF ※出典 B)家庭応用と集団応用このフッ素洗口は、どのくらいの頻度で行われているのでしょうか。フッ化物洗口には、毎日法と週1回法があります。毎日法では通常フッ素濃度225~450ppmFの洗口液を使用します。この方法は、家庭で個人が実施する「家庭応用」に適した方法で、毎日の歯磨き習慣と組み合わせることで、フッ素洗口の習慣化を図ることができます。一方、週1回法では、フッ素濃度900ppmFの洗口液を使用します。この方法は、小中学校などの集団で実施する「集団応用」に適した方法です。 このように二つの洗口方法がある「フッ素洗口」ですが、その実施状況について調べてみました。学校などで実施されている「集団応用」の実施状況は、直近10年間で急激に実施人数が増えています2)。 集団応用の特長は、 一方、「家庭応用」とは、歯科医師の指導に基づいて、家庭で洗口する方法ですが、その特長は、歯科医師による、患者さん個人の口腔リスクに合わせた、きめ細やかな指導が可能であるということです。例えば、その患者さんにあったフッ素濃度や洗口量、洗口方法、洗口する時間帯、他の予防法との組み合わせなどの指導が可能です。そこで、使用される洗口液は、市販されている粉末を水に溶かして作ることが主流です。今後、患者さん個人個人の口腔状態に合わせたオーダーメイドの医療が伸展することを考えると、家庭におけるフッ素洗口の普及の可能性は非常に高いと考えています。お母さんのむし歯予防に関する関心も、昔と比べると格段に上がっており、家庭での普及拡大の大きな要因になると考えられます。 C)翌朝起床時の唾液中のフッ素濃度の測定データ洗口後にどれくらいフッ素が口腔内の残るかについて神奈川歯科大学の荒川先生らが行った実験データ3)があります。 ・実験方法 ・結果 ※参考文献 |
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Q30 | おとなのむし歯の特徴は? |
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A30 | 歯周病になって歯ぐきが退縮したり、詰めたりかぶせた治療の痕があったり、長年使っている歯の傷みのために、エナメル質に守られていない箇所が多いのがおとなの歯の特徴です。エナメル質の内側にあるセメント質や象牙質はやわらかく、酸に弱いため、おとなのお口はむし歯になりやすいのです! |
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