歯・お口の状態について
Q341 | 口臭についてもっと知りたいのですが? |
---|
A341 |
口臭は、大きく3つに分類することができます。 1.口腔由来の口臭口腔内に原因がある場合、口腔細菌とその栄養源のコントロールが基本となります。歯ブラシ、デンタルフロス、歯間ブラシ、舌ブラシなどさまざまな清掃用具を用いてプラーク、舌苔、食物残渣などの機械的除去を行います。とくに歯間部に圧入された食片は、腐敗臭の原因となりやすいので、同部位の清掃は重要です。舌ブラシの使用にあたっては、舌根部から前方へ搔き出すように数回ストロークを加え、過度の力を加えないようにしましょう。不良修復物などプラークの停滞しやすい部位があればその改善が必要です。さらに義歯の清掃も忘れてはいけません。一方、う蝕、歯周病、粘膜潰瘍などの疾患が存在する場合は、その治療を進めていきます。これらは口腔由来の口臭の根本的な治療です。 プラーク、食物残渣などの機械的除去以外の口臭抑制法としては、さまざまな製品を応用した化学的なコントロールがあります。その作用機序は含有成分による口腔細菌の殺菌、消臭、マスキングが主なものです。消臭とは化学的に臭い物質を分解、または物理的に臭い物質を捕捉することで、マスキングとは良い香りで悪臭を覆い隠すことです。 歯磨剤
洗口剤
口中清涼剤
ガム
タブレット
洗口剤は、アルコールをベースにして抗菌剤や香料を含んだものが多くあります。抗菌剤としてもっとも効果が認められているのはクロルヘキシジンであり、0.12~0.2%溶液に口臭抑制効果が認められていますが、日本では粘膜ショックの報告があり、この有効濃度以下に調整されています。その他トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、エッセンシャルオイルにも口臭抑制効果が認められています。 また、近年、金属イオンや酸化剤の口臭抑制効果が報告されています。金属イオンはVSC前駆体のチオール基を酸化して、不溶性の硫黄化合物を形成します。酸化剤は硫黄含有アミノ酸がVSCに変化する過程を阻害します。1%亜鉛または3%過酸化水素含有洗口液に口臭抑制効果が報告されています。洗口剤の過度の使用は味覚異常や歯、粘膜の着色をまねくことがありますので注意が必要です。 さらに、果物由来のプロテアーゼを配合したタブレットを用いて舌苔の化学的清掃を行い、口臭を抑制する試みをなされています。これら口臭抑制製品に共通する特徴としては、その効果が短時間しか持続しないということです。口臭の根本的な治療とはなりませんが、それぞれの製品の特徴を理解し、生理的口臭が強くなる時間帯に使用すれば有効です。 2.口腔以外に由来する口臭口腔以外に由来する口臭の場合、原因疾患の治療が基本となりますが、実際には治療困難な場合もあります。これらの口臭の原因物質は下記を参照して下さい。多くは、口腔から排出される呼気の臭いに加えて鼻腔から排出される気体に臭いを感じる場合に疑うことになります。
その原因には、慢性副鼻腔炎、後鼻漏、鼻腔や上部気道の異物、鼻咽頭膿瘍、慢性扁桃炎、気道感染、肺癌などの鼻咽頭および呼吸器疾患、胃食道逆流症、幽門狭窄、胃炎、ピロリ菌感染などの消化器疾患が考えられます。 また、糖尿病性ケトアシドーシス、腎不全、肝不全も特徴的な臭気を発生させます。稀ではありますが、トリメチルアミン尿症は強い魚臭を発生します。小児の腸内寄生虫感染は、口臭発生と関連があるという報告もあります。これらの疾患が原因で生じる口臭に対する治療報告の数は限られています。 口臭の原因と考えられる要因を除去したにもかかわらず口臭が持続し、扁桃小窩に口臭発生基質の存在が疑われる時に、扁桃切除が行われることがあります。ピロリ菌の除去療法で口臭が減少することが報告されていますが、口腔内診査がなされていないため、その関連性は慎重に判断しなければなりません。さらに消化器由来の口臭に対し、非病原性大腸菌の生菌懸濁液を内服して口臭が低下したという報告もあります。 一方、これらの疾患がない健康な場合でも、ストレスのかかる状態では口臭が強くなることがあります。学生に科目試験を課した場合、試験当日には口臭が強くなり、唾液流出速度が減少すること、また学生にビデオを用いた不安誘発試験を行うと口臭が強くなることなどが報告されています。さらに女性の性周期と口臭の関係も報告されています。Queirozたちは、月経前症候群を呈する女性は、対照と比べて月経前期に高いVSC濃度を示しますが、唾液流出速度には差がないことを示しています。一方、Calilたちは、月経前期および月経期には卵胞期と比較してVSC濃度が高くなり、唾液流出速度は低下することを示しています。これらは一時的なものでありますが、口臭が強くなる可能性のある状況下では、口腔清掃、ストレスの解消、水分摂取などに努め、その予防をすることが必要と考えられます。 3.仮性口臭症、口臭恐怖症実際に口臭はないのに口臭があると信じ込んでいることです。 ※参考書籍 |
---|
Q342 | シーラントって何ですか? |
---|
A342 | シーラントは樹脂材料の一種です。歯の溝は汚れが溜まりやすく、毎日の歯みがきだけでケアするのはとても難しいのです。とくに、むし歯のリスクの高い患者さんは要注意です。シーラントで歯の溝をピタリと埋めることで、汚れが溜まらず安心です。リスクの高い患者さんや、生えたてでやわらかい永久歯のむし歯予防に役立ちます。 (簡単に言いますと、奥歯の噛み合わせる面の溝の部分にプラスチックの素材のものを流し込んで、その部分をむし歯予防する方法です。) シーラントはむし歯のできやすい時期、むし歯ができやすい場所に行うのが良いとされています。生えたばかりの永久歯はむし歯になりやすいので、6歳前後を目途に歯科医院への来院をオススメします。 |
---|
Q343 | 飛行機に乗ると虫歯がずきずき痛み出しました。なぜですか? |
---|
A343 |
飛行機が上昇したり下降したりすると、気圧の変化が起こります。そのため、虫歯や治療中の歯の中に含まれている空気が膨張したり、収縮したりして歯が痛くなることがあります。このような場合はそのまま放置せず、到着してからすみやかに歯科医を受診したほうがよいでしょう。飛行中に激しい痛みが発生したときは、客室乗務員にお伝えすれば鎮痛剤がもらえます。 飛行機に乗る前に虫歯は治療しておくことが大切です。
※JALホームページより引用 他、飛行中の様々な症状についてJALホームページにまとめてありますので、参考にしてください。 |
---|
Q344 | 口臭やねばねば感が気になります。むし歯菌以外に水虫菌も関係しているのですか? |
---|
A344 | むし歯菌・歯周病菌・水虫菌は3つとも異なり、治療をする際はそれぞれ対応しなければなりません。また、歯の磨き方、全身疾患(糖尿病)、タバコなど他要因も関係してきます。 一度ご来院いただいてお口の中の状態を診せてもらえれば、具体的なお話ができ、最適なアドバイスもできると思います。 |
---|
Q345 | 口腔顔面痛とは、どんな病気なのですか? |
---|
A345 | あんどう歯科口腔外科 安藤彰啓院長 コメント
|
---|
Q346 | 歯をみがくとチリッとしみる場所があります。毛先でさわるのが嫌なのですがみがいたほうがいいですか? |
---|
A346 | 意外なようですが歯みがきは知覚過敏の改善にとても効果の高い方法なんです。ていねいな歯みがきのみで、症状がかなり改善する方も多いです。つらいなら、歯間ブラシやフロス、ガーゼだけでもよいので可能な範囲でお手入れしましょう。歯科医院で応急処置を受けると痛みが減るので、歯みがきも楽になりますよ! ※参考書籍 「nico 2018.7 クインテッセンス出版」 |
---|
Q347 | 「ママの口、くさい」と娘に指摘され大ショックです。胃の調子がよくないのかも。ちっとも気づいてませんでした。 |
---|
A347 | 「胃腸が悪いと口臭がする」とよく言われますが、口臭がするときにまず疑うべきは、お口のなかです。お口のニオイには誰にでもある生理的なものと飲食による一時的なもの、そして歯周病などの病気によるものがあり、いちばん強くて目立つのが歯周病による口臭です。 ※参考書籍 「nico 2017.9 クインテッセンス出版株式会社」 |
---|
Q348 | 先天性欠如歯はどのように治療するのですか? |
---|
A348 |
いくつか治療方法がありますので、以下を参考にしてください。 1.乳歯を残す先天性欠如歯の治療の選択肢として、欠如歯の代わりに、残った乳歯を大事に使う方法があります。少なくとも成長期が終わるまでは、あごが成長し噛み合わせも変化するため、インプラントなどの本格的な治療は成長期が過ぎてからになります。歯科医院で乳歯の予防管理や余分な力が加わらないように噛み合わせのチェックを受けながら、乳歯を長持ちさせ、成長期を乗り切りましょう!
2.矯正で治す出っ歯や乱ぐい歯の方の先天性欠如歯の治療は、基本的には隙間を詰め、必要な場合に抜歯をして、口元を引っ込め歯を並べます。成長期前でこれから背が伸びるというお子さんの場合、歯を動かすだけでなく、あごの骨格の成長を誘導して上下のあごのバランスを根本的に改善することができるので、おとなになってから治療するより断然有利です。早期発見していきましょう。
3.自家移植で治療する自家移植とは、ご自身の歯を別のところに移植する方法です。先天性の欠如があるところに歯を移植して噛み合わせのアンバランスを改善します。すべてのケースで移植できるわけではありませんが、有効な治療方法です。
4.入れ歯を使う先天性欠如歯の場合、左右がアンバランスになり、放っておくとあごの骨格がゆがんでくることもあります。入れ歯を使って骨格のゆがみを防ぎ、成長期が終わるとインプラントを入れるなどの治療が可能です。入れ歯といえば年配の方だけというイメージがあるかもしれませんが、小児用の入れ歯もあります。お子さんに頑張って入れ歯を使い続けてもらい、骨格の大きなゆがみを防ぐことが大切です。
※参考書籍 「nico 2015.9 クインテッセンス出版株式会社」 |
---|
Q349 | 筋肉は年齢とともにどのように変化しますか? |
---|
A349 |
骨格筋の筋力は、一般に30歳前後まで増加し、50歳頃まで比較的一定に保たれ、それ以降徐々に低下するといわれています。筋量に関しては、20才前後を最大とすると50歳ではその85%前後、80歳では60%前後になるようです。 しかしながら、近年高齢者においても筋力トレーニングで筋肥大を認めた報告もあります。努力すれば筋量の低下も少しは防げるかもしれません。
※参考書籍 |
---|
Q350 | 親知らず(智歯)はいつ抜歯するのがベストですか? |
---|
A350 | 術後併発症と危険因子の点から、「特に女性患者では、下顎埋伏第三大臼歯抜歯は、24歳以前に行われるべきである。年齢が高い患者ほど、術後併発症と永続的な後遺症のリスクが大きい。術者の経験不足はまた、術後併発症の発生を助長する大きな要因になりえる。」とあります。 埋伏下顎第三大臼歯抜歯:術後併発症と危険因子 他の論文では、「女性は、男性と比較して術後痛とドライソケットのリスクが高かった。高齢患者は、若年者と比較して手術時間延長が高いリスク因子であった。X線写真画像による完全埋伏歯は、術後全身感染のリスクが高かった。神経が手術中に露出した場合、神経露出がなかった場合より、術後痛VASスコアや全身感染リスクなどが高かった。」という報告もあります。 下顎第三大臼歯抜歯:術時間延長、術後疼痛、併発症の危険指標 ※参考書籍 |
---|