フッ素
Q1 | 子供の歯みがき嫌いを治すのはどうしたらいいですか? |
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A1 |
まずはお子さんの好きなキャラクターの歯ブラシを購入して歯みがき粉もお子さんの好きなものを選ばせてみて下さい。歯みがきもお母さんが無理やりしてあげるのではなく最初はお子さんとお母さんが一緒に歯みがきをしてみてはいかがですか? 歯みがきを嫌がったときには無理に歯みがきをしなくてもフッ素洗口やフッ素ジェルなどで代用するのもいいでしょう。 出来れば週に1、2回はお母さんが仕上げ磨きをしてあげましょう。 |
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Q2 | むし歯予防に効果的なケアを教えてください。 |
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A2 |
むし歯予防には、正しい歯磨きとフッ素洗口(フッ化物洗口)! 1.歯みがきフッ素入りの歯みがき剤(歯みがき粉)を使って歯みがきをしてください。 A)歯科用歯ブラシの半分の長さに歯みがき剤をのせる。※どのくらいのせるかは歯みがき剤のチューブの出口の大きさで変わりますので、小さい出口のものの場合は、歯ブラシのヘッドの長さと同じくらいの量を目安にしてください。(約0.5gと言われています) B)口腔内をしっかりブラッシングC)ブラッシング後、軽く吐き出し、洗口は1回だけ<洗口方法> a.ブラッシング後、歯みがき剤を吐き出します。 2.フッ素洗口フッ素洗口とは、フッ化物水溶液を用いてブクブクうがいをすることで、歯のエナメル質表面にフッ化物を作用させて、むし歯を予防する方法です。歯を磨いた後にフッ素洗口をすることで、より効果的にむし歯を予防できます。 A)フッ素洗口液のう蝕予防効果フッ素洗口液のう蝕予防効果は、フッ素配合歯磨剤と比較して高いと言われています。例えば、小学校において6年間実施した場合、30~50%のう蝕予防効果が得られ、その効果は中学3年生、あるいは20歳まで持続することが確認されています。保育園/幼稚園(4歳)から中学校(14歳)まで継続実施した場合、効果はさらに高く、70~80%のう蝕抑制率が得られることが確認されています1)。 この理由として、 ・フッ素洗口剤 フッ素物濃度 225~900ppmF ・フッ素配合歯磨剤 フッ素物濃度 1,000ppmF ※出典 B)家庭応用と集団応用このフッ素洗口は、どのくらいの頻度で行われているのでしょうか。フッ化物洗口には、毎日法と週1回法があります。毎日法では通常フッ素濃度225~450ppmFの洗口液を使用します。この方法は、家庭で個人が実施する「家庭応用」に適した方法で、毎日の歯磨き習慣と組み合わせることで、フッ素洗口の習慣化を図ることができます。一方、週1回法では、フッ素濃度900ppmFの洗口液を使用します。この方法は、小中学校などの集団で実施する「集団応用」に適した方法です。 このように二つの洗口方法がある「フッ素洗口」ですが、その実施状況について調べてみました。学校などで実施されている「集団応用」の実施状況は、直近10年間で急激に実施人数が増えています2)。 集団応用の特長は、 一方、「家庭応用」とは、歯科医師の指導に基づいて、家庭で洗口する方法ですが、その特長は、歯科医師による、患者さん個人の口腔リスクに合わせた、きめ細やかな指導が可能であるということです。例えば、その患者さんにあったフッ素濃度や洗口量、洗口方法、洗口する時間帯、他の予防法との組み合わせなどの指導が可能です。そこで、使用される洗口液は、市販されている粉末を水に溶かして作ることが主流です。今後、患者さん個人個人の口腔状態に合わせたオーダーメイドの医療が伸展することを考えると、家庭におけるフッ素洗口の普及の可能性は非常に高いと考えています。お母さんのむし歯予防に関する関心も、昔と比べると格段に上がっており、家庭での普及拡大の大きな要因になると考えられます。 C)翌朝起床時の唾液中のフッ素濃度の測定データ洗口後にどれくらいフッ素が口腔内の残るかについて神奈川歯科大学の荒川先生らが行った実験データ3)があります。 ・実験方法 ・結果 ※参考文献 |
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Q3 | フッ素が歯にいいと聞きました。いつから始めればいいですか? |
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A3 |
乳歯でも永久歯でも生えて間もない時はフッ素の効果は高く、歯質を強化します。できるだけ早い時期から始めましょう。 河口 |
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Q4 | フッ素がむし歯予防に大切だということはわかるのですが、どのように使っていけばいいですか? |
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A4 |
フッ素物配合歯磨剤の成人の使用法の「イエリボリ法」では、次のように言われています。 ・歯ブラシに2cmの歯磨剤をつける ・歯磨剤を歯面全体に広げる ・2分間歯を磨く ・歯磨剤による泡立ちを保つ(途中で吐出しない) ・終了後歯磨き剤を吐出せず10mlの水を含む ・30秒間洗口し、吐出する ・最低2時間は飲食しない
日本人向けの効果的なフッ化物配合歯磨剤の使用方法は次のように推奨されています。 1回の使用量成人で0.5g以上、6歳未満時は0.25gとし、年齢に応じて適宜増減
使用後の洗口約15mlによる約5秒間の洗口を1回
使用回数と時期1日2回以上、朝食後と就寝前は必ず
その他・ブラッシング中の途中吐き出しはできるだけ少なめに ・使用直後(使用後2時間を目安)の飲食や洗口を避ける ・継続使用する (フッ化物濃度は1000ppm近く、6歳未満児は500ppmでもよい)
また、ブラッシング時に歯磨剤を用いたくない、あるいはブラッシング後に十分洗口して、汚れを口腔外に排出したいという方のためには、ダブルブラッシング法というものがあります。 ファーストブラッシング1回目のブラッシングでは歯磨剤をつけない、あるいはつけて(フッ化物無配合歯磨剤でも可)ブラッシングして十分に洗口する。
セカンドブラッシング歯ブラシにフッ化物配合歯磨剤(できればジェルかフォームのように分散性の高い剤型のもの)をつけて歯面に適用(歯面に延伸する)し、15mlによる約5秒間の洗口を1回行う。
※参考書籍 「日本歯科医師会雑誌 2017 vol.69 No.10」 |
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Q5 | 歯みがきのあと、口のなかからフッ素が流れてなくなっちゃうと思うのですが、どうやったら口のなかに残りやすいですか? |
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A5 |
たしかに、歯みがき剤のフッ素がなるべく口のなかに残ったほうが再石灰化の効果は上がりやすいです。ちょっとした工夫をお教えしましょう。
※参考書籍 「nico 2015.6 クインテッセンス出版株式会社」 |
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Q6 | 私はむし歯のできやすいたちですが、フッ素で予防できるのでしょうか? |
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A6 |
歯みがき剤を毎日使うのはもちろん、ほかにもフッ素の利用法がありますので、フッ素ジェル、フッ素洗口、フッ素塗布などいくつかの方法を組み合わせ、リスクに合わせて予防していきましょう。 ※参考書籍 「nico 2015.6 クインテッセンス出版株式会社」 |
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Q7 | フッ素の作用って、フライパンのフッ素加工みたいなものですか? |
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A7 |
表面コーティングとは全くの別物です。フッ素がミネラルイオンと結晶を作り歯の一部となって修復してくれます。この再石灰化のスピードが速いので歯の修復がスピーディに進みます。 ※参考書籍 「nico 2015.6 クインテッセンス出版株式会社」 |
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Q8 | むし歯予防のフッ素洗口ってどんなものですか? |
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A8 |
ブラッシング後、フッ素を用いて洗口(うがい)することでむし歯を予防します。 加藤歯科医院では、1日1回フッ素洗口をおすすめしています。 実際にフッ素洗口を続けている人たちの工夫をご紹介します。これらはほんの一例ですので、皆さんそれぞれ、自分の生活の中でいちばん続けやすい方法を見つけ、習慣にしています。自分が続けやすい方法を見つけるときのヒントにしてください。 When?みんなは「いつ」フッ素洗口をしているの?「寝る前だと忘れてしまうので、朝学校に行く前にしています」 Where?みんなは「どこで」フッ素洗口をしているの?「お風呂で数を数えるかわりに、60回ぶくぶくうがいをしています」 How?「忘れないための工夫」ってあるの?「お母さんが作ってくれたチェック表を冷蔵庫に貼っています。うがいをしたら印をつけていき、1ヶ月どのくらい頑張ったかでおこづかいが決まります」 |
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Q9 | フッ化物歯面塗布ってなんですか? |
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A9 |
比較的高濃度のフッ化物溶液やゲル(ジェル)を歯面に塗布する方法です。歯ブラシ法、綿球法、トレー法などがあります。 フッ化物歯面塗布の特徴1.乳歯および永久歯のどちらにも効果的です。 2.歯ブラシ法の場合、歯磨きと同じ要領で塗布できるので、子どもたちにも受け入れられやすい方法です。 3.塗布の時間は、1~4分程度です。(歯数によって異なります) 4.低年齢児や、うがいのできない人に対するフッ化物応用として有用です。 5.生え始めの歯には特に効果的です。歯が萌出してきたら実施しましょう。 6.3~4ヶ月ごとの塗布が効果的です。 7.継続して行うことで効果を高めることができます。 8.フッ化物洗口やフッ化物配合歯磨剤など、他の局所応用と組み合わせることでさらに効果が高まります。 9.使用量についての注意が必要なため、歯科医師や歯科衛生士など歯科専門職が行う方法です。 10.地域保健の場面では、1歳6ヶ月児および3歳児健診や、その他の乳幼児健診の機会を利用して行われることも多く、より多くの子どもたちに応用されています。 ※参考書籍 |
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Q10 | フッ化物洗口ってなんですか? |
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A10 |
フッ化物水溶液を用いてブクブクうがいを行い、歯面にフッ化物を作用させて、むし歯を予防する方法です。 フッ化物洗口の特徴1.1分間のブクブクうがいで効果を発揮します。 2.4歳からの実施により永久歯で50~60%のむし歯予防効果があり、特に前歯のむし歯はほとんどみられなくなります。 3.歯ブラシの届かない奥歯の溝の部分や、歯と歯の間にもフッ化物が届き、むし歯に対して抵抗性のある歯を育てます。 4.少し溶け始めた歯の表面をもとに戻してくれます。(再石灰化を強く促進します) 5.フッ化物濃度は低く、使用量も少ないため、安全性の高い方法です。 6.安い費用で実施できます。 7.毎日1回(あるいは週5回)行う方法と、週1回行う方法があります。 8.家庭で個人的に行う方法と、園や学校で集団で一緒に行う方法があります。 9.永久歯の萌出時期(4~15歳頃)に継続して行うと効果的です。 10.成人の歯と歯の間(隣接面)にできるむし歯の予防、高齢者の根面にできるむし歯の予防にも効果的です。 11.定期的なフッ化物歯面塗布や家庭でのフッ化物配合歯磨剤とも併用できます。 12.シーラント(奥歯の溝をシールする)と組み合わせると、効果的です。 ※参考書籍 |
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