アレルギー

Q21 レジンアレルギーがあるようですが、歯科用インプラント治療を受けても大丈夫でしょうか?
A21

チタン(Ti)やバナジウム(V)など、インプラント本体に使用される金属のアレルギーがなければ、インプラント自体は安全と考えられますが、上部構造体を装着する際に、レジン系のセメントを使用する可能性がありますので、レジン系材料のアレルギー検査は事前に受けておく必要があると思われます。

 

※参考書籍
 「歯科アレルギーNOW 疾患の基礎と臨床のエッセンシャル」
 編集 海老原 全、松村 光明、原澤 秀樹、北崎 祐之
 デンタルダイヤモンド社

Q22 レジンアレルギーは本当にあるのでしょうか?
A22

はい、あります。

金属アレルギーより症例は少ないですが、レジンアレルギーの患者さんはいます。歯科治療のレジンだけではなく、ジェルネイルやUVレジンの手芸用品で感作されている患者さんもいますので、問診で見出すことが重要です。

 

※参考書籍
 「歯科アレルギーNOW 疾患の基礎と臨床のエッセンシャル」
 編集 海老原 全、松村 光明、原澤 秀樹、北崎 祐之
 デンタルダイヤモンド社

Q23 アレルギーが生じやすいレジンのタイプはあるのでしょうか?
A23

残念ながら現在は特定されておりません。

患者さんごとにアレルゲンが異なるので、一人ひとり確認する必要があります。ただし、未重合モノマーはアレルギーの報告も多くあるので注意が必要です。新たな感作を生まないためにも、未重合モノマーを極力少なくする配慮を普段の診療から心がけるとよいでしょう。

 

※参考書籍
 「歯科アレルギーNOW 疾患の基礎と臨床のエッセンシャル」
 編集 海老原 全、松村 光明、原澤 秀樹、北崎 祐之
 デンタルダイヤモンド社

Q24 セラミックスアレルギーはあるのでしょうか?
A24

セラミックスは非常に安定している材料なので、アレルギーを生じることはないと考えられています。しかしながら、セラミックスを装着する際に使用するレジンセメントに対してアレルギーが生じる場合があるので、セラミックス治療の際にもアレルギーに留意する必要はあります。

 

※参考書籍
 「歯科アレルギーNOW 疾患の基礎と臨床のエッセンシャル」
 編集 海老原 全、松村 光明、原澤 秀樹、北崎 祐之
 デンタルダイヤモンド社

Q25 大臼歯にセラミックスを使用してもよいのでしょうか?
A25

咬合関係、咬合力、対合歯とのクリアランス量など、金属アレルギーとは別の歯科補綴的問題も考慮されるべき課題であると考えますが、大臼歯でもセラミックスは使用可能です。

咬合圧に耐え得る二ケイ酸リチウムガラスセラミックスや、高透光性ジルコニアセラミックスの開発・臨床導入により、前歯部などの審美領域だけではなく、臼歯部での適応範囲は広がっています。

 

※参考書籍
 「歯科アレルギーNOW 疾患の基礎と臨床のエッセンシャル」
 編集 海老原 全、松村 光明、原澤 秀樹、北崎 祐之
 デンタルダイヤモンド社

Q26 まだ検査はしておりませんが、問診で金属アレルギーの体質を皮膚科の先生に指摘され、口の中のアマルガムを外すように言われました。どうすればよいのですか?
A26

アマルガムは除去時に水銀(Hg)による環境汚染の配慮が必要となります。

アマルガムに限らず、口腔内の金属を外すときは、事前に必ずパッチテストや口腔内金属成分分析検査を行い、アレルゲンの種類と所在場所をきちんと特定した上で、実施することが望ましいと考えられます。

たまたま口腔内の金属が外れて、新たに再治療が必要となった場合には、金属を含まない歯科材料を選択して治療を受けるとよいでしょう。

 

※参考書籍
 「歯科アレルギーNOW 疾患の基礎と臨床のエッセンシャル」
 編集 海老原 全、松村 光明、原澤 秀樹、北崎 祐之
 デンタルダイヤモンド社

Q27 ラテックスアレルギーと言われました。どのような点に気をつけて治療するのですか?
A27

直接患者さんに触れる歯科医師などの術者は、必ずノンラテックスグローブを使用する必要があります。ラバーダムシートもノンラテックスのものを用意しなければなりません。また、重度のラテックスアレルギーと診断された患者さんの場合、直接肌に触れていなくても、空気中に飛散するアレルゲンでも症状が出ることがあるので、院内スタッフのラテックスグローブの使用にも注意が必要です。特にパウダー付きグローブの場合、アレルゲンが飛散しやすいので注意が必要です。

 

※参考書籍
 「歯科アレルギーNOW 疾患の基礎と臨床のエッセンシャル」
 編集 海老原 全、松村 光明、原澤 秀樹、北崎 祐之
 デンタルダイヤモンド社

Q28 ラテックスアレルギーの検査は、どこでできるのでしょうか?
A28

一部の皮膚科またはアレルギー科で検査が可能です。事前に検査可能か問い合わせたほうがよいでしょう。

 

※参考書籍
 「歯科アレルギーNOW 疾患の基礎と臨床のエッセンシャル」
 編集 海老原 全、松村 光明、原澤 秀樹、北崎 祐之
 デンタルダイヤモンド社

Q29 ラテックスグローブで湿疹が出る場合は、ラテックスアレルギーなのでしょうか?
A29

違う場合もあります。

皮膚のバリア機能低下による湿疹の場合もありますので、検査をしないとわかりません。

 

※参考書籍
 「歯科アレルギーNOW 疾患の基礎と臨床のエッセンシャル」
 編集 海老原 全、松村 光明、原澤 秀樹、北崎 祐之
 デンタルダイヤモンド社

Q30 歯医者さんで注射をするとクラクラと気分が悪くなります。麻酔のアレルギーじゃないかととても心配です。
A30

麻酔が必要なとき、アレルギーを心配するかたはよくおられます。
しかし、麻酔でいのちが危険なほどアレルギーが起きる頻度は、じつはきわめて少ないと言えるでしょう。
その後気分が落ち着かれてご自分で歩いて帰れたならまずアレルギーではありません。どうぞ安心なさってください。

麻酔アレルギーには2タイプあります。
麻酔関連のアレルギーでむしろときどきあるのは、表面麻酔薬に添加されている防腐剤や安定剤などによる湿疹などの小さなアレルギーです。
スプレーやチューブ入りの表面麻酔薬は、開封後しばらく使用できるよう、市販されている化粧品などと同様の防腐剤が添加されていることがあります。
また、使いやすく粘性をもたせる安定剤が入っていることもあります。
そのため、化粧品で湿疹ができやすいかたの歯ぐきに、小さな湿疹ができることがあります。
ただ、目立たない場所の場合、気付かないうちに治ってしまいます。

一方、ショック症状を起こし命にかかわるほど激しいアレルギー(アナフィラキシー)も、きわめて少数ですがないわけではありません。数十万件に1件ともいわれていますが、とある歯科大学病院の年間20万人の患者さん(あらゆる症例のかたがいる)で数年に1人いるかどうか、というほどたいへんまれです。
やはり麻酔薬自体より添加物に対する反応が多いといわれています。
ご心配なかたは皮膚科のアレルギー検査をぜひおすすめします。

具体的な調査結果があるわけではないのでエビデンスはないのですが、「麻酔の注射のときにアレルギーで気分が悪くなった」と心配なさる患者さんの相当数は、緊張のあまり血圧が急上昇したり、脳貧血、過喚起発作などとアレルギーを混同なさっているのではないかと思われます。
そこで、また起こりはしないかと不安なかたには、まずはアレルギー検査をおすすめし、そして大丈夫であれば、体調のよいときに精神鎮静法を用いて治療を行います。すると問題なく治療ができる患者さんがほとんどです。
 「前に麻酔したときに気分が悪くなった」というようなかたの多くは、おそらくアレルギーではありませんが、ご心配であれば歯科医院・歯科麻酔専門医や総合病院の口腔外科、大学病院の歯科麻酔科などにお気軽にご相談ください。

 ※参考書籍
 「nico 2015.3 クインテッセンス出版株式会社」
 「nico 2013.3 クインテッセンス出版株式会社」
 「nico 2007.12 クインテッセンス出版株式会社」

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