Question

歯に原因はないのに歯に痛みが出ることってあるの?

Answer

そのような痛みのことを「非歯原性疼痛」といいます。非歯原性疼痛は様々な要因によって引き起こされ、次のようなものがあります。

1.三叉神経痛

たとえば歯のブラッシングや食事あるいは顔を触った際のような、無害な刺激な後に引き起こされます。その痛みは突然発症し、鋭く撃つような電撃的な痛みで数秒で終わります。脳内の動脈や静脈による三叉神経の圧迫が原因ではないかと考えられています。

2.前三叉神経痛

顔面や歯にぼんやりした深い鈍痛を持続的だったり間欠的に感じる痛みのことです。三叉神経痛に移行することがあるため、“前三叉神経痛”と呼ばれています。

3.非定型歯痛(幻歯痛)

痛みは歯に入っている末梢神経ではじまりますが、中枢性の神経系の一部に変化をもたらし、歯痛を感じるように進行してしまいます。

4.慢性(複合性)局所疼痛症候群

慢性局所疼痛症候群(CRPS)は、末梢神経のダメージによって発症し、神経系の末梢および中枢部分を変化させ、非定型歯痛にみられるものと似ています。非定型歯痛との違いは、交感神経系が関わっていることです。交感神経系は神経系の一部であり、いろいろな働きがありますが、その部位の血管が狭くなっているのが原因です。痛みは、「焼けるような」と表現され、軽い接触や他の刺激が引き金となります。CRPSは腕や脚に頻繁に発症しますが、顔面にも起こることがあります。

5.神経血管痛(頭痛の関連痛)

偏頭痛、群発性頭痛、連続性片頭痛は脳の神経および血管の変化に由来するタイプの頭痛です。あるケースでは、三叉神経からの関連痛により、これらの頭痛が歯のなかに感じ歯痛となることもあります。痛みは持続的、激痛、拍動性、また緩和される時期もあります。

6.心臓由来の歯痛

狭心症や急性心筋梗塞といった心疾患では、関連痛が肩や腕または顎にさえ現れることがあります。また関連痛は歯にも表れることがあります。胸の痛みと関連していることもあります。歯痛が心臓由来である場合には、運動によって疼痛は増加し、投薬(たとえばニトログリセリン錠とか)により痛みは減少します。

7.上顎洞/鼻由来の歯痛

上顎洞粘膜や副鼻粘膜の問題が、上顎の歯に関連痛を引き起こすことがあります。上顎の数本の歯に鈍く持続性や拍動性の痛みを感じます。また目の下の部分に圧を伴うことがあり、頭を下に下げたり、咳や鼻をすすることで上顎洞に圧が加わると痛みが増してきます。冷水反応や咬合、打診反応のような歯の検査で、上顎洞由来の痛みは強くなってきます。

8.頸部における新生物あるいは他の病変

腫瘍は歯の神経の近くの部位にも現れることもあり、それにより歯が緩く感じたり、動いたり感じる原因になります。

9.唾液腺機能不全

唾液腺からの関連痛で歯の痛みを感じることがあります。また歯および周囲組織の健康を損ねることによって、唾液の欠如が起き、歯痛を引き起こすこともあります。

10.心理的な障害

心理学的障害は歯痛の原因ではなく、増幅因子と考えられています。

※参考書籍
 「痛みの特徴から主訴を解決する やさしい診査・診断学」
 宮下 裕志 著 クインテッセンス出版株式会社

お探しの情報は何ですか?

関連記事

このページを見た人は以下のページも見ています